5分でわかる!期中現金主義、期末発生主義を弥生会計でわかりやすく解説
経理や会計事務所で働いていると最初にぶち当たる壁である。
簿記の勉強して意気揚々と就職したら、売掛って使わないの?
あれ?なんで期末にだけでてくるんだ?と混乱することがある。
とりあえず自分で調べながらやってと言われても、他のサイトでは知識としては何となく理解できるがいざパソコンの前で作業となれば非常に不安になる。
とんこつは憤慨である。
そもそも期中現金主義、期末発生主義って会計処理を楽にする実務上のテクニックなので調べてもなかなかでてきてくれない。
なので実際に弥生会計を使って、決算仕訳が組めるまでの実務上のやり方を説明していこうと思う。
期中現金主義・期末発生主義とは
期中現金主義・・・現金の入出金で売上、費用を認識する
期末発生主義・・・物を販売した事実、物を仕入れた事実があった日に認識する。
ざっくり簡単にいえばこんな感じ。
現金主義でイメージしやすいのは、クレジットカードを使わない飲食店などだろうか。
お会計時に売上が確定し、その場で現金を受け取る。
発生主義はクレジットカードでの売上だろうか。お会計時に売上が確定するが、クレジットカード会社からの入金は翌月末日のような場合。
弥生会計でみるとこのような状況だ。
なぜ期中現金主義と期末発生主義が混在するのか
そもそも現金と掛を両方使う会社は当然混在する。
それは例外的に置いておいて。
例えば中小企業で売上先も限られていて少なく、毎月翌月入金の発生主義ならいっそのこと無理やり期中現金主義にした方が簡単だからである。
事業年度内にその期の売上や経費がすっぽり収まっていれば、税金に変わりはないので実務上簡便なやり方と言える。
発生主義の場合
仕訳がおおくなる。
売掛金の残高のチェックも必要になりめんどくさい。
現金主義の場合
仕訳数も少なくなりシンプルに。
入金が売上発生月の翌月末日払いなら摘要欄に前月払いであることを明記しよう。
これをしないと自分以外が見たら混乱する。
注意しないといけないのは9月分の売上の消費税を見てほしい。
10%になっている。
無理やり期中現金主義にしたためだ。実際は9月の売上なのであとで8%にする必要がある。
期中現金主義のメリット・デメリット
メリット
- 簡単である(これにつきる)・・現金の増減で損益を把握
デメリット
- 期中の適正な期間損益が出せない
- 期末に洗替の必要性がでてくる
- 決算を組むまで利益がわからない
期末発生主義のメリット・デメリット
メリット
- 期中の適正な期間損益が出せる・・業績把握がしやすい
- 期末に洗替の必要はない
デメリット
- めんどくさい
実際に決算仕訳をしてみる
上記をふまえると決算時にどうしていいかわからなくなるのは、無理やり現金主義の場合だ。
月々で期ずれが起きているからだ。
せっかく仕訳をしたものをまた入力しなおすの?
と思うかもしれないが、事業年度内にその期の売上や経費がすっぽり収まっていれば、税金に変わりはないので、期末だけを発生主義に変えれば解決する。
事業年度1月~12月の場合
11月分の売上は12月に入金だったので、12月の売上は来期1月の 入金になる。
無理やり現金主義の場合は嫌が応にもこの決算月の場合は、発生主義に変える必要がある。
12月に売上が2本立つことになるが、決算仕訳にすれば問題はない。
1期目ならこれで終了。
問題は2期目以降である。
前期の売掛金が残ったままスタートとなる。
ポイントは1月の入金時だ。
売掛金の消込を行わずに売上として仕訳を切る。
期中現金主義を貫くのだ。
もし期首のみ売掛金の消込をしてしまうと
こんなかんじ
一見問題なさそうだけど月間推移でみると
1月の売上が0になっている。
売掛意外で買掛や、その他未払い金などを期首に消し込むと、1月が穴ぼこだらけの試算表になり月次報告の時にかっこ悪いのだ。
なので決算時に前期の売掛金を消す必要がある。
この15万の売上は前期に計上し、月次報告のために仕方なく今期の1月にも計上したものなので除外する必要がある。
これで売上の決算仕訳は完了。
仕入や給与の仕訳も同様の考え方でやれば問題ないと思うよ。
今日は以上!